あの日から僕の人生は止まっていた。今から20年前、家族を巻き込んで破滅に導いてしまった。借金地獄の果てに、全てから逃げ出して自殺未遂の旅に出た。
そこから、両親に助けられて一命は取り留めたものの、そこから時は止まっていた。
僕の時計はその日から、ずっと止まったままだった。
生きていても脱け殻のようだった。
そんなある日、仕事で長期休暇をもらった。
家出の旅の出発地である、松山に20ねんごしにいってみようと思い立った。
僕は何を今まで怖がっていたのだ?何に?
僕は一家をダメにしてしまったダメ人間と自分で思うようになっていた。
少しでも動いたら、ナイフに刺さりそうで怖かった。
それは言葉のナイフかもしれない。
松山の人は優しかった。
僕にとって因縁の松山が因縁ではなくなった。
それから、止まっていた20年を取り戻そうと言う努力の日々が、始まって今に至る。
誰だって、怖さを持っている。
命を絶ちたいと思うこともあるかもしれない。
でも、生きてさえいれば必ずいいことがある。
このブログでも毎回いい続けていることだ。
だから、死なないで。
生きてさえいればいいんだ。