生きていると実感し、今更ながら、すべてを逃げ出しておきながら、まだ生きて何かできるんじゃないかと思ってしまった。
タイムレンジャーのアヤセのように。
そして、秋葉原の警察に駆け込んだ。
その駆け込んだ、理由というのは、今からでも、なくしてしまったお金を取り返してほしい。その女を逮捕してして欲しいというものだった。
すぐに身柄を照会されて捜索願が出されていることが分かった。
そして、秋葉原の万世橋警察に送られた。
その時に何を聞かれたか覚えていない。
でも、言われたことは覚えている、あなたは何も悪いことをしていないから留置所などにいれるわけにはいかない。
と、何か、黒板に仕切られた場所にて泊まることになった。
その黒板に生きて罪を償う。自分が味わったことを公開し、同じ目に合う人が少なくなるようにとチョークでものすごい勢いで書いた。
それは、誰に見てもらうということでもなく、自分に対して書いたものだ。
僕はそれを消さずに放置したけど、後で見た警察の方はどういう気持ちで黒板けしで消しただろうね。
一日泊まって、お父さんと妹が一緒に迎えに来てくれた。
怒られなかった。
その日まで、借金をしたことなどいろいろ怒られたけど、その日以来、そのことで一度も怒られていない。
生きている実感がした。
でも、運が悪くなったという潜在意識はもうどうにも消せなくなっていた。
今の時点でも、まだそれを思って生きている。
でも、本来僕はとんでもない、奇跡の軌跡で運がいい人間。
それをこの1,2年で確実に潜在意識に改めて刷り込ませる努力をしているのだ。