僕は、学卒で入った会社を2年で辞めてしまいました。それからというもの、自分に自信が持てなくなってすぐに仕事をやめてしまったり、途中で逃げ出したりしました。このまま、まともに働くことは出来ずに家で引きこもって生活することになるのだろうと、何度も思いました。親の財産も僕が若いころに借金で使いつくしてしまった。そのうえ、まともな仕事も出来ていない。他の同世代の友達は結婚して、子供に恵まれ、マイホームも持っている。そのくせ、僕は、何もない。そんな僕を救ってくれたのはスポーツでした。派遣で入った会社で駅伝に出ることになり、一緒に走るということがどれほど楽しかったことかと思ったのです。それが運命だったのか。コンピュータの仕事をやめたとき、絶対に健康関係の仕事か、スポーツ関係の仕事しかしないと心に決めました。そうしたら、本当に水泳のコーチになることができたのです。信じれば、かなうというのは本当だったのです。また、派遣先の会社で駅伝を行うという奇跡がなければ今の自分はないかもしれません。
ミスタも一緒です。ブチャラティに拾ってもらわなかったらずっと、刑務所か、刑務所から出たとしてもすさんだ人生だったでしょう。第5部の仲間たちは確かにギャングですが、ギャングなりの正義がある。それが面白くしているのでしょうね。