ジョジョの奇妙な冒険を読む上での醍醐味に「もしも、自分が当事者だったらどう切り抜けるか?」を考えることがあります。
第1部でのこの時点(ディオが石仮面の能力を身につける前)では、ジョジョにもディオにも特別な能力がありません。
このシーンがあらわすものは、僕たち一般社会における駆け引きと何ら変わりないのです。
ただ、一般社会とは変わらないといいつつも、ディオにはジョナサンに対する明らかなる殺意があります。
でも、考えてみると、ここでジョナサンを殺害してしまうと、ディオは財産を手に入れることができません。(おそらく、野望がばれてしまうでしょうね。)なので、この時点でのディオは相当切羽詰まっていると思います。
一方のジョナサンのこの目を見る限り、自分の命を捨ててもジョースター家を絶対に守るという決意が見られます。
この時点で、覚悟は、ジョナサンのほうが相当強いはずです。
このセリフでは書かれていませんが、ディオがジョナサンを本気で殺害しようとするならば、ジョナサンも正当防衛として、ディオの殺害もやむなしと考えていたことでしょう。
この一コマでは、お互いの決意の表れが、セリフはあるといえども、にじみ出ているのです。
カラー版だからよくわかるのですが、このシーンの背景にも注目です。
ジョナサンの背景はブルー、一方、ディオの背景はパープルです。
これは、コミックスでは、絶対にわかりえない描写ですね。
また、ブルーは晴れ割った空のようにブルーです。
一方、パープルはどんよりした気持ちで、不穏な気持ちを表しています。(スクリーントーン?を使っているから余計ですかね。)
ジョジョにおける、こういう対比にも、本当に素晴らしく引き込まれる気がします。
第一部では、お互い普通の人間だったころから、この対比が面白く、読者の心をつかんでいったのでしょうね。